2023年度の JEC観光部会の活動

持続可能性主張を含む体験プログラム技術仕様のAPI 変換プロジェクト

体験プログラム(EPs)技術仕様プロジェクトは2022年10月に完成されましたが、観光業界は、スマートフォンでも手軽に体験プログラム(EPs)を取引できるよう、EPs技術仕様を国連CEFACTで新たに構築された技術仕様に基づき、API形式に変換する必要性を訴えました。それを受け、このプロジェクトはEPsの取引にAPIを適用し、それら取引の円滑化を支援することを提案します。

また、Sustainability Claims(持続可能性主張)は、持続可能な観光のビジネス標準開発プロジェクト(本年6月にWhite Paper公開)の成果であるSustainability情報(評価結果)を、同様のAPI化によりネット公開するもので、それら情報により購入者に納得して商品を選択し取引してもうことを目的とします。

 

旅行会社とDMCのAPI RDM プロジェクト

このプロジェクトは、現在旅行会社(ほとんどが中小企業)と観光商品手配会社(DMC)や観光協会等の観光地域づくり法人(DMO)の間でパッケージツアーデータを交換するための電子メールとスプレッドシートを、調和されたデータやコメントに置き換えることができるようにします。このプロジェクトの目的は、旅行会社(伝統的な旅行会社とオンライン旅行会社(OTA)を含む)の間、または旅行会社とDMC間、DMCとDMC間で交換される、「旅程」、「見積」、「パッケージツアー」、「旅行者」、「レビュー」データを交換するためのAPI標準セットを設計することです。

 

2022年度 国連CEFACT観光部会の活動

2022年12月現在、以下のプロジェクトを国連CEFACTにて進めている。 詳細は報告記事をご参照ください。

 

体験プログラム技術仕様(Experience Programs Technical Artifacts Project)開発プロジェクト

従来、旅行と言えば、名所旧跡などの観光が中心だったものが、昨今、農業体験とか工芸産業体験、社会活動、健康増進活動などの体験型の旅行が世界的に脚光を浴び、食事や宗教、健康や身体条件、性別などの多様性も考慮しなければならなくなりました。

体験プログラムは、世界的にみて旅行観光業界の新たな動きとして捉え国連CEFACTの旅行観光部門が取り組んだテーマです。ここでは体験プログラム(Experience Programと国連CEFACTが命名し、その略称をEPsとする)と称する旅行観光商品の国際取引を実現するために、国連CEFACTが定める開発手順に則り、扱う情報の技術的な事項(Technical Artefacts)を開発しました。このプロジェクトの成果物(第1版)は、2022年10月に開催された国連CEFACT総会で正式に承認され完了しました。

成果物は、旅行観光業界が必要とするプロセス(予約、修正、キャンセル、情報検索)を対象としたビジネス要求仕様書(BRS:Business Requirements Specification)とCCL(コアコンポーネントライブラリ:国連CEFACT共通辞書)に登録する新規情報項目です。

 

持続可能な観光のビジネス標準(Business Standard for Sustainable Tourism)開発プロジェクト

旅行観光部門の活動をレストラン、宿泊、交通手段、体験活動等の10分野に区分して、それぞれに対応したビジネス標準をSDGsの目標とターゲットを基に開発しました。これらのビジネス標準の実践に際しては、SDGsが観光に要求する事項を集約した5つの重点事項に対して、事業者は各々に対する取り組みを、プロセスの成熟度に基づいて自己評価することとし、その評価結果を5段階に数値化する方法を開発しました。このプロジェクトの成果物は、White Paperとし、2023年6月に公開しています。