国連CEFACT 日本委員会(JEC)について

Japan Trade Facilitation and E-Business Committee

組織と活動概要

Japan Trade Facilitation and E-Business Committee(JEC:設立当初のJapan Edifact Committeeの略称でもありました)

JEC・JEC運営委員会

JECは、我が国における国連CEFACTの勧告や標準の普及・促進活動を支援するとともに、国連 CEFACT 活動へ我が国産業界の意向を反映させる活動のための組織として、関係業界団体、企業等から成る会議体です。

JEC総会は、最高意思決定機関であり年1回開催され、運営委員会は、年2回程度開催され、総会が議決した基本方針・施策を実施するため作業部会を調整します。

JECは、国連CEFACT総会に向けた審議、及び国連CEFACTが進める国際標準化に向けたプロジェクト動向の共有や国連CEFACTの成果物である勧告・ホワイトペーパー等に関する我が国関係業界の意見の集約等を行う活動を展開しています。

 

JASTPRO:一般財団法人 日本貿易関係手続簡易化協会   

JTREC  :NPO法人 観光情報流通機構          

SIPS  :一般社団法人 サプライチェーン情報基盤研究会 

 

日本政府代表(Head of Delegation)

国連加盟国は、国を代表するHoD(Head of Delegation)を指名し国連CEFACTに登録しています。

HoDには、国連CEFACT総会に出席し、承認プロセスに参加する責務と国連CEFACT活動に参加する専門家(Expert)を指名する責務があります。日本は、3省(財務省、経済産業省、国土交通省)による1年毎の交代制としており、2022年度は国土交通省、2023年度は経済産業省、2024年度は財務省関税局となる。

このため、3省は、オブザーバーとして日本委員会に参加しています。また、JASTPROは、Acting HoDとして国連CEFACTの我が国唯一の窓口として、また、日本委員会の事務局として日本委員会、運営委員会の事務局を担うと共に作業部会における審査・評価に参加しています。

 

作業部会

・標準促進委員会(JUS:Japan Committee for UN/CEFACT Standards)

JECの下に設置しているJUSは、国連CEFACTの成果物の日本国内への広報・普及を担うとともに、国連 CEFACT 活動への参画方針等の検討。国連 CEFACT 勧告の評価、及び国連CEFACT への提言。我が国発の提案を国連 CEFACT プロジェクトとして申請する場合の審査や手続。国連 CEFACT コードのメインテナンス要求の事前評価・申請などを JUS 委員、JASTPRO 事務局にて行う組織です。UN/LOCODE についてはJapan National Focal Point として国連 CEFACT への新規LOCODE申請を評価しています。

 

・観光部会

UNECE が EDIFACT を開発し普及に力を入れたことで、貿易分野のみならず旅行観光分野においても、コンピューター利用による商取引の国際標準化活動を推進する動きが始まりました。

1992 年に運輸省(当時)の呼びかけにより、旅行観光分野の主要な協会・企業により設立された「国連 EDIFACT旅行メッセージ勉強会」を母体として現在の「国連 CEFACT 観光部会」に至り、JEC の下に組織されています。「NPO 法人観光情報流通機構(JTREC)」が事務局を担い、独立した組織として国連CEFACT やAFACTの活動にも直接貢献しています。

 

・技術手法委員会

JECの技術面を担う組織です。

事務局のサプライチェーン情報基盤研究会(SIPS)は、国内におけるビジネスインフラ構築を進めてきた「次世代 EDI 推進協議会」(国内の EDI 促進のため経産省のバックアップで約 60 の業界団体で立ち上げた協議会で JIPDEC が事務局)の成果(業界横断 EDI 仕様 V1.1)を継承し、グローバルな情報連携との相互運用性を保ちながら、その成果を金流・商流の情報連携を含め、サプライチェーンに関る業務・業種に幅広く拡充してゆく役割も担い、2015 年にJECの下に設置されました。

実務面では、国連CEFACT 活動への直接の貢献や国内業界団体と直接のコンタクトがあります。国際連携、国際/業界横断EDI の2つのタスクフォースを運営し、標準化の基本であるCCL(コアコンポーネントライブラリ:国連 CEFACT共通辞書)の実質的管理を担い、情報項目定義資料やビジネスニーズ根拠につき技術評価を行います。

最近では、電子交渉(e-Negotiation)やeb-XMLの次世代となるJSONによるAPI化に注力しています。

 

・登録技術審査グループ

国連 CEFACT 標準に則った EDI 仕様の国内展開、及び我が国産業界の業務要件を国連 CEFACT 標準に反映させるメインテナンス要求の技術的信頼性を確保するため、2018 年にJECの作業部会として設置され、CCLメインテナンス要求書、業界横断EDI辞書/参照メッセージなどの成果物の技術審査を行います。

技術審査とは、国連 CEFACT の技術仕様に合っているか否かの審査。国連CEFACT 技術仕様には、XML メッセージ規則のみならず、意味定義を含むCCTS(コアコンポーネント技術仕様)なども含みます。

 

JEC参加団体・企業、有識者、オブザーバー、事務局

委員の団体・企業:26社

一般社団法人 全国銀行協会

一般社団法人 電子情報技術産業協会

公益財団法人 金融情報システムセンター

一般財団法人 建設業振興基金

輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(NACCS)

一般社団法人 日本船主協会

石油化学工業協会

株式会社NTTデータ

一般社団法人 日本自動車工業会

一般社団法人 情報サービス産業協会

日本銀行

一般社団法人 日本損害保険協会

一般社団法人 航空貨物運送協会

一般社団法人 日本ホテル協会

NPO法人 観光情報流通機構

一般社団法人 日本海事検定協会

一般社団法人 国際フレイトフォワーダーズ協会

一般社団法人 日本倉庫協会

一般社団法人 日本加工食品卸協会

全国化粧品日用品卸商連合会

定期航空協会

GS1 Japan(一般財団法人 流通システム開発センター)

一般社団法人 日本貿易会

公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会

株式会社トレードワルツ

 

有識者委員:

5名

オブザーバー:

財務省 関税局 業務課

国土交通省 総合政策局 情報政策課

経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 貿易管理課

事務局:

一般財団法人 日本貿易関係手続簡易化協会(JASTPRO)

 

設立経緯

EDIFACT 前夜

国際貿易関係手続簡易化運動は、国連欧州経済委員会(UNECE)を中心に進められ、日本においては、1971 年 貿易関係業界により「貿易関係書式標準化委員会(貿標委)」が設立された時から本格的に進められました。貿標委は、UNECE や各国の簡易化運動推進団体である、イギリスのSITPRO (United Kingdom Board for the Simplification of International Trade Procedures)、アメリカの NCITD (National Committee of International Trade Documentation) などの会議に参加し、国内の貿易関係書式の標準化・簡素化を推進しました。この貿標委(the Simplification of International Trade Procedures)が、後の JASTPRO(Japan Association for Simplification of International Trade Procedures)の母体となります。

 

EDIFACT 日本委員会(JEC:Japan EDIFACT Committee

国際的な動きをみると書式標準化は達成され、次の段階としてコンピューター利用によるADP (Automatic Data Processing)化へと開発が移行していきました。日本においても標準化に併せADP 化を総合的に推進するために、UNECE 勧告#4「各国貿易手続簡易化機関」に基づき、1974 年財団法人 日本貿易関係手続簡易化協会(JASTPRO)が大蔵省、通商産業省、運輸省の3 省共管により設立されました。

1987 年、それまでデータ交換に関する方式が欧州と北米では異なっていましたが、UNECE が設置した欧州・北米の専門家の合同作業部会により、統一さ れ た EDIFACT ( Electronic Data Interchange For Administration, Commerce and Transport:行政、商業、運輸のための電子データ交換)が開発されました。

これに伴い、UNECE は、各地域にラポーター(Rapporteur)の名称で呼ばれる専門家を地域毎に任命し、EDIFACT の普及とそれに基づく各種メッセージの開発の任にあてることとしました。西欧、東欧、北米、豪州に続き、1990 年 日本/シンガポール地域のラポーターとしてJASTPRO 理事(伊東 健治氏)が任命されました。

これを受け、その支援組織として EDIFACT BOARDが日本/シンガポール共同で設立され、さらにその BOARD で検討される事項について国レベルでの合意を形成するために、両国は、それぞれ国内検討機関として「EDIFACT 日本委員会」(JEC:Japan EDIFACT Committee)、「シンガポール EDIFACT委員会」を組織しました。

EDIFACT 日本委員会は、貿易、製造、流通、金融、運輸等の各分野から約 50 の団体及び有識者で構成され、その審議を円滑に行うための組織として、同委員会の下に運営委員会及び作業部会が設置されました。これら委員会の事務局がJASTPRO に置かれました。 

 

Japan Trade Facilitation and E-Business Committee(JEC)

EDIFACT 日本委員会は、その後、「国連CEFACT 日本委員会」に改称され、我が国における国連CEFACTの唯一の窓口として、日本発の要件を集約し国連CEFACT標準へ反映する活動や、技術の進化や世の中の環境変化に伴い発行される勧告や標準を含む成果物の普及・促進活動を支援する活動を行っています。

本ホームページ開設にあたり、活動と名称を一致させ、一般の皆様に国連機関と誤認されないよう、2023年3月に英語名称をJapan Trade Facilitation and E-Business Committee(JEC)へ変更した。(日本語名称は、国連CEFACT日本委員会)